近年多くの若者が地元を離れて首都圏へ出て行ってしまい、地方の過疎化が深刻化しています。これにより、親からの相続を機に不動産の売却を検討する方が増えています。不動産を売却するには、仲介か買取かの2択となりますが、これらにはどのような違いがあるのでしょうか。今回はその違いについて詳しく解説します。

「仲介」を選ぶメリット・デメリット

仲介と買取の大まかな違いとして、売却までの時間と売却価格に大きな差があることです。まず、仲介で不動産を売却した際の流れを説明します。不動産会社に査定依頼をしてもらったのちに、査定価格を提示してもらい、納得ができれば媒介契約を締結します。その後はポスティングや、広告掲載などによる販売活動を行い、買受申込対応をします。

もし買い手が見つかった場合は、契約条件の調整を行い、不動産売買契約を締結します。そして物件を引渡してから、金額を支払うという流れとなっています。買取で不動産を売却する際の流れも後述しますが、仲介で不動産を売却する場合は買取で売却する場合と比較して売却までの期間が長くなることが多いです。

仲介を選ぶメリット

仲介で不動産を売却する最大のメリットとしては、買取で売却するよりも高値で販売できることでしょう。100％ご自身で希望した価格で売れるとは限りませんが、不動産物件サイトをはじめとするさまざまな広告媒体を利用して買主を探すため、不動産市場の相場価格で売却ができる可能性が高くなります。

仲介を選ぶデメリット

一方で仲介で不動産を売却する際にデメリットも存在します。一般的に不動産の売却には、仲介の不動産会社が物件の広告作成や不動産情報サイトへの掲載を行います。また、ポスティングや購入希望者に対して物件を案内、売買契約書の作成をするなど多大な人的コスト・金銭的コストをかけて売却活動をするため、これらの対価として売却が無事成約した際には仲介手数料を支払います。

２点目として、不動産会社に査定してもらった査定額＝売却価格になるわけではありません。買主からすれば1円でも安く購入したいと考えるのは自然なことなので、当然値下げ交渉なども想定しておくことが必要となります。

３点目として、仲介で売却をする場合には平均的に売却活動を始めてから3ヵ月以内には買い手がつくことが多いことです。しかし、売却する不動産の立地条件や価格によっては半年以上かかることも珍しくありません。人気の物件であれば3ヶ月以内に取引が完了することもあるでしょうが、最低でも半年は取引完了までかかるものだと認識しておくべきでしょう。

「買取」を選ぶメリット・デメリット

それでは、買取で不動産を売却する際の流れについても紹介します。まず、不動産会社に査定依頼をして、査定価格を提示してもらいます。契約条件について打ち合わせをしたのちに、不動産売買契約を締結します。そして引渡し、現金の支払いとなります。

仲介に比べて圧倒的に実施する項目が少ないことがわかるかと思います。一般的に仲介会社が提示した査定額＝買取価格となるため、手続きもシンプルであり、提示された査定額にさえ納得できればすぐに現金化ができます。

買取を選ぶメリット

買取で不動産を売却するメリットは、「早く現金化できる」以外にも2点あります。まず、買取は不動産会社が直接買い取るため、仲介手数料が不要です。

２点目としては、購入希望者の内覧対応もないうえ、不動産物件サイトなどの掲載やポスティングなどの売却活動もないため、近所の方に気付かれにくいことです。

買取を選ぶデメリット

買取についてもデメリットは、「仲介と比較して売却価格が安くなりやすい」にも、次のようなポイントがあります。もし、不動産会社に再販ができないと判断された場合には、売却ができないこともあります。土地、建物に価値があれば再販することは難しくありませんが、極端に立地が悪い物件やリフォームやリノベーションをしても再販売が困難なほどに建物が老朽化している場合には注意が必要です。

結局、「仲介」と「買取」どちらがおすすめ？

どちらがおすすめかというと、高値で不動産を売れる可能性が高い仲介での販売となります。しかし、状況によっては買取がよい場合もあります。では、どちらを選ぶべきなのでしょうか。判断する基準としては、時間の制約がないのなら仲介、時間の制約があり急ぎであれば買取となります。

もちろん、仲介だから必ず高く売れるという訳ではありませんが、時間をかけてでも高く売る手段を選択できるため、一般的には仲介を選ぶべきです。また、仲介には「一般媒介契約」「専任媒介契約」といった複数の不動産会社と契約する方法や専任の不動産会社と契約する方法があり、各々メリット・デメリットがあります。

まとめ

不動産の売却においてはご自身の環境はもちろん、不動産の価値も鑑えたうえで冷静に判断する必要があります。この事からもゆっくりと時間をかけることが重要な要素となりますが、人によっては突然判断を迫られることもあるでしょう。今現在は不動産の売却を考えていない方であっても相続や転勤などはいつ訪れるかはわかりません。いつこのような事態になっても冷静に判断できるように一度不動産会社に相談されてはいかがでしょうか。

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